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12.142017
宇検村 特注グラス製作風景(後編)
前回ご紹介した宇検村 特注グラスの製作風景の続きをご紹介致します!
今回は、形の調整、飲み口の部分の加工、仕上げです。
◇前回
型吹きをして、グラスっぽくなったところで終わっていましたので、その続きからです。
◇グラスの太さ調整
型を使用してグラスの形になりましたが、専用に製作した型ではないため、少し太いので調整していきます。
グラスを回しながら、外側を押して細くしていきます。
細くした分、底が飛び出してくるので、平らにしていきます。
◇ポンテ付け
今の状態だと、飲み口の加工ができないため、吹き竿を移し替えていきます。
※ポンテ付けとは
作業の途中で吹き竿から別の竿に移し替える作業のことです。
移し替えやすいよう竿の先にガラスを巻きつけるのですが、この巻きつけたガラスのことを”ポンテ”というため、この作業をポンテ付けと呼んでいます。
切り離しやすいよう、吹き竿との境目を細くします。
ポンテを付けるところを少し窪ませておきます。
そうすると、完成後ポンテを切り離した時の段差が少なくなり、仕上げ作業が楽になります♪
窪ませたところにポンテを付け、中心になるよう微調整します。
先ほど細くしたところを、濡らしたヤスリで傷をつけ、吹き竿を叩いて切り離します。
切り離したら、ポンテを付けたときに歪んでしまった底を平らに修正していきます。
◇飲み口の加工
切り離した部分を引っ張っていきます。
引っ張ることで、飲み口部分のガラスが薄くなります!
ハサミを使って、引っ張った部分を切っていきます。
飲み口を広げていきます。
外側からも押さえて形を修正し、飲み口を整えます。
飲み口をさらに開いていきます。
一度真っ直ぐな形を作り、底の方を冷ましておくことで、飲み口部分のみが開きます。
◇サイズ確認、最終調整
グラスの形が完成したので、サイズを確認します。
飲み口や底を修正して・・・グラスの完成です!
◇徐冷
完成したら、ポンテから切り離します。
弊社 宙吹きの印 ”K” を刻印し、徐冷炉にて冷ましていきます。
◇仕上げ
ガラスが冷めたら、グラつきや傾きなどを確認し、修正が必要なものは修正をします。
色ガラスが外側に付いているので、削りすぎると色が抜けてしまうため、細心の注意を払いながら作業していきます。
仕上げまで終わって、ようやく完成です!
*製作者 吹き師 木村のコメント*
さまざまなデザインのグラスがあるため、あまりないようなデザインで、お酒を飲まれる方でも飲まれない方でも使いやすいように、氷を入れても十分な量が入る大きさになるよう意識して製作しました。
一番外側に色ガラスを付けないと細いラインにならないのですが、外側に色を付けると、仕上げの作業で色が抜ける恐れがあります。
そのため、製作段階から形や高さなど、精密に製作しないといけないので、今回の製作ではそこが一番大変でした。