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4.302018
作業風景「壺洗い」
弊社で製作している薩摩切子の色は10色(除く二重被せ)+透明のガラスの11色。
それに対して、ガラスを溶かす壺は4つ!
常に全色溶かしておくことはできないため、色を入れ替えながら作業しています。
窯に入っている色ガラスを出して、違う色のガラスを入れますが、色が混ざってしまわないよう壺を洗います!!
洗うと言っても、水でゴシゴシ洗ったりはしません!
使うのは・・・”ガラス”です!
作業風景の写真と一緒にご紹介します♪
今回は、黒→金赤に変える作業でご説明します。(※特例)
壺洗いでは、金属でできたスコップみたいな道具と、ヘラのような道具を使って作業します!
まずは、スコップのような道具を使い、壺の中の黒色のガラスを全部掬い出していきます。
そのまま使用すると、スコップにガラスがくっついてしまうため、一度水に浸してスコップの温度を下げてから使います!
この時 取り出したガラスは、また次に黒色を入れる時に使用するので捨てずに取って置きます。
色を入れ替える時に、いろんな色のガラスの塊がストックされます。(このあとの作業でも使います!)
高温のガラスは水あめのような状態のため、頑張って掬ってもドロッと流れて掬い出しにくいので・・・
だいたい取り出せたところで、ガラスの原料(砂状のもの)を入れます。
そうすると、水あめのようにドロッとしたガラスが少し固まり、出しやすくなります!
ヘラのような道具を使って混ぜ、掬い出します。
それでも、全てキレイに取り出すことは難しいので・・・
次に入れる色のガラスを入れて溶かし取り出す という作業を繰り返すことで、壺の中の色を徐々に変えていきます!
(この作業を弊社では「壺洗い -つぼあらい- 」と呼んでいます。)
ここで、ストックされた色ガラスの塊を使います!
が、今回は金赤に変更するため、ちょっと違います。
金赤は、原料に”純金”を使用しているため、壺洗いに使用するのは ちょっともったいないので・・・(笑)
生地の検査に通らなかったものを使用します!(特例の理由 その1)
ガラスが溶けたら、スコップを使って取り出します。
金赤や銅赤などの赤系の色のガラスは、溶かすと透明になります。(特例の理由 その2)
そのため、徐々に色を薄くしていかないといけないので、他の色より大変です・・・
この作業を繰り返すこと2~3日!
ようやく残っていた色が消えます。
あとは、金赤の原料を入れ溶かして作業終了です!
工房見学の際、壺洗いの作業を目にすることがありましたら、是非見てみてください♪